知的・発達障害をもつ長男は小学4年生。
長男が発達の遅れを指摘されたのは3歳6カ月の時。その後、療育が始まったが、当初はこどもの行動を理解できなかったことがある。
長男だったこともあり、1対1で過ごせたため育児はのんびりと、まず怒ることはなかった。しかし長男が3歳の時に次男が生まれ、1人で2人見るキャパシティがなく人格崩壊。今まで怒鳴るなんてしたこともなかった私が、長男の行動に怒鳴るようになってしまった。
当時は初めての子育てだったたからわからなかったけれど、長男は手がかかったものだ。
ADHDも指摘されていた長男は買い物に連れていけばすっ飛んで行く。散歩に行けば自分の好きなものに急に突進する。
遊び方がわからないため、パスティックを見ればぽきぽき折る。「これは色を塗るのよ。」と優しく声をかけて紙に書くけど、そんな言葉は無視して楽しそうに全てのパスティックをぽきぽき折る。
今であれば「またこの子は。やりやがったな。」とか、♪ポケットを叩くとビスケットが増える♪の感覚で、♪息子が触るとパスティックが増える♪とか歌えるけど、その時は「なんでわからないの?!」が先行し「やめろ!いい加減にしなさい!」と怒鳴ってしまうことがしばしば。
本もそうだ。彼にとって本は読むではなく破るもの。こちらの声なんて届いてなくて嬉しそうに破るのだ。図書館の本なんて借りれたもんじゃない。
もちろん、今は本は読むものと分かっている。手先が不器用なため厚い本のページはめくりにくく破ってしまうことはあるが…。
あれは4~5歳頃か。注意欠陥行動のある夫(自覚あり)は、持って行った水筒や購入した飲みかけのジュースを片付けることを忘れる。それが鞄や袋の中、夫の勉強机に、長いものでは1週間放置されることが多々あった。私が先に見つければよいのだが、長男は私よりも先にそれを上手に見つけ、そしてこっそり飲むのだ。
夫に捨ててといっても「忘れていた。」長男に飲むなといっても理解せず飲むの繰り返し。「やめなさーい!」と何度怒鳴ったか。
ある時「うちの子、言うこと聞かないんですよ」と職場の先輩に言った。「こどもなんてそんなもんだよ」と返ってきた。その時は「確かに」と思ったが、次男を育てて気づいた。やはり長男は「言うことを聞かない」のだ(笑)
「言うことを聞かない」の次元が違うのだ。
「男の子なんてじっとしてないよ~」と言われるが「じっとしていない」の次元が違うのだ。
正確には、「言うことを聞かない」というより「言ったことに対して理解できていない」のかもしれない。しかし、時間と経験、そして理解できるための工夫さえあれば、いつかは解決する。
「じっとしていない」も、なぜ動くか予測がつけば良いのだが明確ではないことが多く、それゆえにこちらも理解に苦しむのだ。しかし、一つ言えるのは彼らには彼らなりの理由があって動いている。
「なんでわからないの?!」はごもっともだが、彼らからしたら「なんでわかってくれないの?!」と思っているだろう。
理解できないこどもの行動には
①一度「なんてこった」と笑おう
②行動の背景を考えてみよう
③解決策を探そう(上記の例だと、やってはいけないことには「×マーク」「危険マーク」などを絵や写真にし可視化する。破ってもよいものを満足いくまで破らせる。こどもが触る前、動く前、出かける前に、前もって説明をする。など)